2012年11月1日木曜日

月曜日に宮城県女川町へ行ってきました。

話せば長い物語なのですが、発端は留学時代の友人(ドイツ人)が、「11月にオーケストラ(Bamberger Symphoniker)のツアーで2週間日本に滞在するけど、公演の空き日に、東北の被災地で演奏会ができないか」と打診してきたのがきっかけです。仲間を数人募って室内楽の演奏会をしたい、とのことでした。被災地でのボランティア演奏は需要も供給もあるのですが、その間に立って連絡を行い、演奏会にこぎ着けるまでが大変です。現地の様子をよく知っている人物で思い浮かぶのは、以前明石の教室にヴィオラを習いに来ていて、その後仙台へ行ったK君しかいません。彼に「こう言ってくれる人がいるけど、どこか演奏会ができる場所ある?」と聞いたら、「女川に音楽を」実行委員会の木村裕さんを紹介してくれました。木村さんは女川町の仮設診療所で治療を続けていらっしゃる、歯医者さんです。

私は当初、「仙台市内で演奏会を受け入れてくれるところは無いか」と思っていたのですが、仙台とその近辺は震災から立ち直りつつあり、今大変なのは三陸の沿岸部であるとのK君の弁。東京—仙台間は2時間かからないので、行って演奏会して帰ってくるのもそれほど負担ではありませんが、女川は仙台から更に車で2時間かかるとのこと。来日公演で忙しいのに、わずかな空き日に、多くの時間を費やしてでも演奏会をしに行ってくれるか心配しました。が、友人もその仲間も二つ返事でOKしてくれました。良かった!

演奏会は次の月曜日、11月5日の14時30分から、女川第二小学校の体育館で行います。詳細は掲載のチラシの通りです。「女川に音楽を」実行委員会のホームページでも見ることができますし、話を聞きつけた駐日ドイツ大使館(Deutsche Botschaft Tokio)が後援をしてくれることになりましたので、そちらのホームページでも演奏会秘話をご覧になることができます。


要するにこの演奏会の下見のために女川へ行ってきたわけです。全部で8人のプレーヤーとその楽器をレンタカーに乗せて女川まで行かなければなりません。女川の様子と現地までの交通事情を知っておかないと、当日ふたを開けてみたら通行止めや大渋滞があって行けません、ではせっかくの善意も水の泡。会場を快く提供して下さった女川第2小学校にも、挨拶がてら会場の様子を見に行ってきました。木村さんも小学校の先生も非常に熱意のある方々で、できるだけ多くの方に聴いて頂けるよう声をかけます、とのことでした。
しかし平日の昼間なのでどうしても聴きに来られる方は限られてしまいます。当日好天に恵まれ、多くの方に来て頂けますように祈るばかりです。

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